5.ムーシルド

ムーシルドとは
 ムーシルドは矯正装置の一つで、反対咬合の治療に使います。子供の成長期に使用するものですが、おそらく実際の物は意外と大きく感じられると思います。使い方は口の中に入れているだけです。ですが、ムーシルドは入れているだけで治ると言う先生もいますが、山本歯科医院では定期的に調整しています。舌の力を利用して顎の成長を促進する矯正装置ですが、舌の力を上手くいかせていないと、ただ入れているだけになります。長年ムーシルドを入れていても治らないで相談に来た母娘さんはきちんと調整すると矯正力が働くようになり、歯は動きだしました。

舌が反対咬合の要因になる訳
 どうして舌が反対咬合の要因になる訳は、下図を見ていただくとご理解いただけると思います。舌の力でと思われがちですが、矯正は歯を動かす治療です。その際歯を動かす矯正力はゴムの弾性力が主となります。歯はごく弱い力が持続的にかかると動き出します。舌はまさに弱い力で、食べ物を飲み込むたび、水を飲み込むたび、つばを飲み込む場合、夜無意識状態でもつばを飲み込んだり、しゃべったりする時に歯に当たり押します。その刺激は成長期の子供には成長を促進する力になります。
舌が反対咬合の要因になる訳

実際のムーシルド
 どうして舌が反対咬合の要因になる訳は、下図を見ていただくとご理解いただけると思います。舌の力でと思われがちですが、矯正は歯を動かす治療です。その際歯を動かす矯正力はゴムの弾性力が主となります。歯はごく弱い力が持続的にかかると動き出します。舌はまさに弱い力で、食べ物を飲み込むたび、水を飲み込むたび、つばを飲み込む場合、夜無意識状態でもつばを飲み込んだり、しゃべったりする時に歯に当たり押します。その刺激は成長期の子供には成長を促進する力になります。
実際のムーシルド

ムーシルドの説明
 下の図を見ながらお読みください。ムーシルドは黒線で上の部分と下の部分に分かれています。上の部分には上顎が入ります。ですが下の部分には舌が入り、下顎はムーシールドの中には入りません。そして重要な点はムーシルドには下の部分には壁があり、それは斜めになっている点です。その壁は下顎にぶつからないように設計されています。下の写真では赤丸の部分です。
ムーシルドの説明

実際の患者さんに入れた状態
これは山本歯科医院で矯正している患者さんの実際の写真です。お断りして許可を得て載せさせています。
下の写真A
 上で説明したように、上の部分は上顎を覆っています。そして舌がムーシルドの下の部分の中に入っていますが、下顎はムーシルドの外にあります。舌はムーシルドの壁で下顎に当たる事はありません。
下の写真B
 噛んでもらい正面から見た写真ですが、ムーシルドのおかげで上顎と下顎は噛み合わない状態です。噛まない事で、上顎は下顎に遮られることなく成長することが出来ます。
 余談になりますが、この写真では下顎の前歯4本がすでに大人の歯が4本です。それに比べ上顎の前歯は全部乳歯(子供の歯)です。やはり下顎の成長が上顎より早いのが見て取れます。
ムーシルドA
ムーシルドB

ムーシルドが反対咬合を治す
 下の写真A・B・Cを見ながらお読みください。舌が必ずしも反対咬合の原因ではありませんが、反対咬合で舌を出す癖がある場合、反対咬合を助長する力になってしまいます。ムーシルドを入れていると、A図で舌を前に出そうとしても、ムーシルドの壁があり、下顎にその力は伝わりません。
ムー治すA
 B図、ムーシルドの壁は斜めであり、前に出そうとした舌は方向転換を余儀なくされます。ここで少し横道にそれますが、舌癖がなく、舌を前に出す癖が無い場合は図Aが無く、いきなり図Bに来ると思ってください。ただしその場合は反対咬合になるリスクはかなり軽減されています。  そしてこの舌を上方向に向くことは、舌が自然に上顎を押す事につながります。この上顎を押す事が、反対咬合の治療に大きなメリットになります。上顎の成長時期は上顔面の成長を追いかけるように成長します。それを舌が後方から押す事で成長を助長します。これにより上顎の前方方向への成長が期待できるわけです。また、ムーシルドの装置の中に下顎は含まれません。それに、上顎と下顎はムーシルドを入れている限り噛み合いません。噛み合わないため覆いかぶさっている下顎が成長を妨げることもありません。
ムー治すB
 C図、A、Bの説明を図説したものです。ムーシルドは舌の押す力の向きを変えることで、上顎の成長を促します。これは歯を動かすのではなく、上顎を成長させることを目的にしています。もし上顎の前歯が内側にあったら、舌は真っ先にその歯に当たるため、歯の位置を変えることも期待できます。
 ムーシルドは上顎の成長を促進することを目的としていますので、機能的顎矯正装置とも呼ばれます。これは顎を成長させるので、後戻りすることはありません。矯正は歯を動かしますが、動かすのをやめた後、しばらく歯は元の位置に戻ろうとする動きをしま す。これを後戻りと呼んでいますが、ムーシールドで成長したものが後戻りすることはありません。
ムー治すC