歯の部位の説明

歯周病の話をする前に、歯の形について説明します。イラストは歯の断面図です。青い線より上の部分を歯冠(しかん)下の部分を歯根(しこん)と呼びます。歯冠の一番表層のエナメル質は体の中で一番硬い構造ですが、歯冠の部分にしかありません。その内側に象牙質があり、歯冠から歯根まで続きます。さらにその内側に歯髄(しずい)があり、血管と神経芽通っています。
歯周組織は文字通り歯の周りの組織です。黄色枠がそれですが、歯ぐきは正式には歯肉と呼びますが、以後は歯ぐきで説明します。歯ぐきで見えませんが、歯の歯根を支えているのは歯槽骨(顎の骨)です。この歯と歯槽骨は直接くっついている分けではなく、歯根膜という繊維でつながっています。この歯根膜は歯にかかる圧力を感知して、食感を感じる事や、異物(砂とか魚の骨等)を感じ取ります。
歯周病で問題になるのはイラスト黒丸の所のポケットです。ポケットは歯と歯ぐきの境目にあるのですが、健康な人でも必ず1-2ミリは存在します。このポケットの存在が歯周病に深く関係してきます。
歯周組織は文字通り歯の周りの組織です。黄色枠がそれですが、歯ぐきは正式には歯肉と呼びますが、以後は歯ぐきで説明します。歯ぐきで見えませんが、歯の歯根を支えているのは歯槽骨(顎の骨)です。この歯と歯槽骨は直接くっついている分けではなく、歯根膜という繊維でつながっています。この歯根膜は歯にかかる圧力を感知して、食感を感じる事や、異物(砂とか魚の骨等)を感じ取ります。
歯周病で問題になるのはイラスト黒丸の所のポケットです。ポケットは歯と歯ぐきの境目にあるのですが、健康な人でも必ず1-2ミリは存在します。このポケットの存在が歯周病に深く関係してきます。
1 歯周病のはじまり

歯周病の始まりはポケットに食べかすが残ることから始まります。毎食後歯磨きを行い、磨き残しがなければ歯周病にはなりません。しかし、何らかの理由で磨き残し(食べかす)が残った場合、口の中の細菌がそれを餌にして増えていきます。やがてプラークが形成されます。このプラークは歯ブラシで落とすことが出来ます。
2 歯周病の初期

さらに時間が経つと細菌たちにより、ポケットのプラークは石灰化して歯石になります。歯石は硬く、歯にこびりついておりハブラシでは取れません。さらに細菌数や種類もプラークの時より急増します。
細菌も生き物ですから、生存しようとします。その際、細菌は内毒素なるものを出します。それが体に悪さをして歯ぐきが腫れたりします。体も免疫で応戦しますが、この戦いは長期戦になります。長引けばそれだけ体の方が不利になり、やがて歯を支える歯槽骨が溶けてしまいます。終止符を打つには、歯石を除去するしかありません。
細菌も生き物ですから、生存しようとします。その際、細菌は内毒素なるものを出します。それが体に悪さをして歯ぐきが腫れたりします。体も免疫で応戦しますが、この戦いは長期戦になります。長引けばそれだけ体の方が不利になり、やがて歯を支える歯槽骨が溶けてしまいます。終止符を打つには、歯石を除去するしかありません。
3 歯周病の中期

歯石は細菌の塊です。段々と歯と歯ぐきの境目から進行していきます。問題は、歯石は歯科医院で取るしかない点と、あまり症状が無い点でしょう。この段階でも歯ぐきから血が出る以外はあまり明確な症状がありません。
話が少し横道にずれますが、歯ぐきから出血するのは細菌により歯ぐきが腫れているからです。歯ぐきに細菌が感染する事で炎症が起きて出血します。出血するだけならいいのですが、実はその出血から細菌が体の中に入り込みます。それが体の至る所で悪さをする事が医学的にも分かってきています。この点に関してはいずれHPにアップさせたい内容です。この時点では、歯周病は細菌による感染症であり、歯だけではなく全身にも影響してくる病気である事を覚えておいてください。
話が少し横道にずれますが、歯ぐきから出血するのは細菌により歯ぐきが腫れているからです。歯ぐきに細菌が感染する事で炎症が起きて出血します。出血するだけならいいのですが、実はその出血から細菌が体の中に入り込みます。それが体の至る所で悪さをする事が医学的にも分かってきています。この点に関してはいずれHPにアップさせたい内容です。この時点では、歯周病は細菌による感染症であり、歯だけではなく全身にも影響してくる病気である事を覚えておいてください。
4 歯周病の末期

歯周病の末期は歯が抜けるあるいは抜くしかありません。黒い部分は歯石であり、その周りに骨は無く、ぐらぐらの状態です。よく見ると歯冠の部分はほとんど穴が開いていません。歯周病は歯を支える骨が細菌感染で悪くなり、歯槽骨が無くなる病気です。それなので、歯に穴は開きません。歯に穴が開くのはカリエス(むし歯)が原因です。
5 歯周治療について

治療方法はケースバイケースと言うのが正しいでしょう。内容は主に歯石を取ることです。それに加え、磨き方の指導は必要でしょう。歯周病の分類は日本の保険制度では、P1からP3までに分類しています。イラストを参照しながらお読みください。(イラストのように歯ぐきが下がっていない状態での説明です。)
まず、歯周病はあまり痛みを伴わないです。痛み出すのはP3からでしょうし、それでも常時痛いわけではなく、歯ぐきが腫れた時だけでしょう。P1の状態(イラスト左)ではほとんど自覚される症状は無いでしょう。この時歯科医院に来たら、治療回数は2-3回で終わる事が出来ます。
P2(イラスト中央)、この時期は歯ぐきから出血してきているはずです。でも痛むことはまだないでしょう。歯石もかなり付いており、4mm以上のポケットの場合は歯石を取るには麻酔が必要でしょう。歯石が付いている量で回数が変わりますので、治療回数は5-10回ぐらいとしか言えません。回数を決めるのは、歯ぐきの検査をして治療計画を立てたらです。
P3(イラスト右)この頃になると、自覚されていない事が多いですが、色々と症状が出てきます。歯ぐきからの出血はかなり多くなってきているでしょう。噛み合わせで噛が動いている歯もあるかもしれません。それに歯ぐきが下がっている所もあるでしょう。治療回数は10回以上になる事でしょう。
また、歯周治療を難しくしている要因として、全部で28本ある歯が、歯によってP1だったり、P2、P3だったりします。1本の歯でも、手前(近心と言います)がP2で、奥側(遠心と言います)がP3だったりすることは、珍しくありません。その為、歯によって 28本1本ずつ調べる検査を行います。それにより部位別で治療計画を考えます
まず、歯周病はあまり痛みを伴わないです。痛み出すのはP3からでしょうし、それでも常時痛いわけではなく、歯ぐきが腫れた時だけでしょう。P1の状態(イラスト左)ではほとんど自覚される症状は無いでしょう。この時歯科医院に来たら、治療回数は2-3回で終わる事が出来ます。
P2(イラスト中央)、この時期は歯ぐきから出血してきているはずです。でも痛むことはまだないでしょう。歯石もかなり付いており、4mm以上のポケットの場合は歯石を取るには麻酔が必要でしょう。歯石が付いている量で回数が変わりますので、治療回数は5-10回ぐらいとしか言えません。回数を決めるのは、歯ぐきの検査をして治療計画を立てたらです。
P3(イラスト右)この頃になると、自覚されていない事が多いですが、色々と症状が出てきます。歯ぐきからの出血はかなり多くなってきているでしょう。噛み合わせで噛が動いている歯もあるかもしれません。それに歯ぐきが下がっている所もあるでしょう。治療回数は10回以上になる事でしょう。
また、歯周治療を難しくしている要因として、全部で28本ある歯が、歯によってP1だったり、P2、P3だったりします。1本の歯でも、手前(近心と言います)がP2で、奥側(遠心と言います)がP3だったりすることは、珍しくありません。その為、歯によって 28本1本ずつ調べる検査を行います。それにより部位別で治療計画を考えます