なぜ重度の歯周病が治りにくい?
  歯周病を治りにくくしている理由の一つとして、根面についている歯石があります。それと歯根の形です。歯の上の部分を歯冠と言い、歯ぐきの中に埋まっている部分を歯根と言いますが、歯周病は歯根の部分で起きる病気です。歯根の形が単純な形ならいいのですが、そうではありません。
 形が複雑な歯根にこびりつくようにくっついている歯石、その歯石は最近の塊であり、それを除去するのが歯周病治療です。なんだ、歯石を取ればいいんだと思う方もいると思いますが、それが難しいのです。重度の歯周病でポケットが6mmあると、歯石の取り残しがあることは色々な先生方が調べて論文で挙げています。取り残しがあるから治らない、取り残しがあるから直接見て歯石を取る歯周外科手術が必要になるわけです。
 言葉で表現すると難しいのですが、下の図を見てもらっうと分かりやすいと思いますが、歯石を取ることはかなり難しい治療です

重度の歯周病

バイオフィルムは厄介者
 非外科で治療する場合に、従来からあるSRP(スケーリング・ルートプレーニング)に併用して局所的(ポケット内)に抗生物質を注入する方法があります。効果はあるのですが、確実とは限りません。それは細菌たちが形成するバイオフィルムというものがあるのですが、その存在が薬の効果を邪魔するからです。
 バイオフィルムが、細菌に到達しない、あるいは通常の薬の濃度では殺菌効果が発揮しません。個人個人、あるいは場所によって薬の濃度を変えるのは現実的ではないですし、どれくらいの濃度が必要なのか調べることも不可能です。
 Blue RadicalP-01の開発研究時に効果を確認するため、バイオフィルムを形成した菌に3%過酸化水素水と波長400nmの光1分間照射すると、細菌数99.9%の減少が確認できました。これはバイオフィルムを破壊あるいは、隙間をかいくぐって細菌にHydroxyl Radicalが効果を表すことが出来る証明であり、Blue RadicalP-01の有効性を証明した実験でもあります。

Hydroxyl Radicalの特徴
Hydroxyl Radicalの特徴

streptococcus mutans
 streptococcus mutans説明をしますが、streptococcus mutansでは長いので、ミュータンス菌と省略いたします。ミュータンス菌はグラム陽性で通性嫌気性のレンサ球菌です。カリエスの原因菌の一つと呼ぶ方が有名です。
 ミュータンス菌はショ糖(砂糖)を利用して、粘着性のグルカンを多量に作ります。これが歯垢(プラーク)で、歯の表面に細菌を付着させやすくします。グルカンの粘着性で歯の表面に付着できる能力は、この菌特有のものです。そしてこのグルカンを基盤にしてバイオフィルムは形成されます。ミュータンス菌はバイオフィルム形成に関与している菌でもあります。

ミュータンス菌模式図

Hydoroxyl Radicalとヒドロキシル基
 OH ̄はヒドロキシル基と呼ばれるるもので下図のような構造をしています。ヒドロキシル基の大きさは調べると出てきました。そしてヒドロキシルラジカルは化学式ではOHと同じですが、ヒドロキシル基と電子の数が一つ足りないものです。(下図参照)
 ヒドロキシル基は比較的安定している物質ですが、ヒドロキシル ラジカルは反応性が高い物質です。そのためか大きさを探しても出てこないので、ヒドロキシル基の大きさを参考にしたいと思います。

Hydroxyl Radicalの大きさ

Hydoroxyl Radicalとミュータンス菌
 ヒドロキシルラジカルとミュータンス菌を比較すると下図のようになります。ヒドロキシルラジカルはミュータンス菌の約1万分の1の大きさになります。

ヒドロキシルラジカルとミュータンス菌の大きさの比較
 数字で表しましたが、全くピンときませんね。大きさの違いをどう伝えようかと思い考えましたが、下図を見てみてください。

ミュータンス菌を擬人化、砂時計