上顔面、中顔面、下顔面

? 頭蓋骨の模式図で多少気味悪いかもしれませんが、矯正治療を考えるうえで、骨の成長は重要です。それと上顎骨(上の顎の骨)と下顎骨(下の顎の骨)の位置関係が話の鍵になります。図を見ながらお読みください。
横から見た絵ですが、顔を3つの部位に分けると上顔面・中顔面・下顔面に分けられます。まず上顔面ですが、脳を覆っている骨を頭蓋骨と言いますが、ほぼ頭蓋骨の部分が上顔面です。中顔面は眉間部分から上顎骨までです。そして下顔面は下顎骨になります。
? 矯正治療において上顎は中顔面にあり、下顎は下顔面にあります。そして上顔面・中顔面・下顔面の成長時期が異なります。矯正(歯並び)の治療は歯の大きさと顎の大きさが合わないから生じます。ならば顎の成長が上手くいけば歯並びもきれに並ぶかもしれません。

顎の成長(まず脳の成長について)

 歯の矯正を顎の成長と合わせて考えていきます。まず脳の成長について説明します。(必ず顎の成長に結び付きますので、お読みください。)
  親として子どもの矯正治療(歯並び)については心配になる事と思います。子どもの矯正治療(歯並び)を顎の成長を交えて触れていきたいと思います。始まりは脳の重さについて説明します。矯正治療(歯並び)の中で反対咬合について説明するには、ここから始めるのが大事です。これは矯正治療で反対咬合をいつ治すかの説明にもつながります。
 生まれたての赤ちゃんは非常に頭でっかちな状態です。体の大きさに対して3頭身ぐらいです。脳の重さは350-400gぐらいです。体重は3000グラムとしたら、脳の比率は11.6-13.3%になります。今度は成人ですが、性別年齢にもよりますが脳の重さはおおよそ1200-1500gです。体重60Kgとしたら、脳の重さの比率は2.0-2.5%になります。いかに赤ちゃんの頭が大きいか分かると思います。
 さらに生まれてから6歳ぐらいまでに、脳の重さはほぼ成人の95%に達します。脳の重さは生まれてから6歳までに急成長することが分かります。そしてその成長は緩やかになりますが、おおむね12歳頃まで続きます。